真夏の雪

記念すべき一人目の客は高橋だった。


雪斗「…ほんと、ガッカリだぜ。


高橋「おいっ!それ客に言う台詞!?


雪斗「はやく買えよ。

怪訝な顔で…

高橋はトングを使って商品をビニール袋に詰めた。


高橋「…ほらよ、カレーあんパン3個。

ち…チャレンジャーだ…。


雪斗「俺、お前のこと見くびってた!

高橋「……何の話だ。何の。


高橋はカレーあんパンを買うと、店を出ていった。


高橋がカレーあんパンを買う姿を見て、俺も腹が減ってきた。


…腹減った。
外を見ると空は赤く染まっていた。

もう夕方じゃねーか。
早いなぁ…



雪斗「…あっ。


琴音さん何か食ったのか?


すっかり忘れてた。

部屋の奥に入ると冷蔵庫をあさり、適当な材料を取り出し…

台所でお粥を作った。

…実は料理得意なんだよな。



我ながら上手く出来たと思う。

お粥を皿に盛り、お盆にのせて台所を出る。


目指すは琴音さんの部屋。


けど、琴音さんの部屋はすぐ分かった。
何故なら…

扉に『琴音のお部屋』と書いてあるからだ。


ノックを2回して一声かける。

雪斗「琴音さん、入るよ。


琴音「はぁ~い…