真夏の雪


鈴「あるばいとしませんかっ!
あんパン食べ放題です!


鈴の第一声は意外な一言だった。


あんパン限定な所が気になるが…


鈴「…あの。お母さんが風邪引いていて…困ってるんですっ。

雪斗「親父は?

鈴「…いません。
小さい頃に出ていったきり…。


雪斗「そうか…。
と言うか…俺、パン作れねぇけど。


鈴「私が学校から帰ってくるまで…
いてくれるだけでいいです。


鈴「……。
してくれるんですか!?


雪斗「ああ、いいぜ。

鈴「ありがとうっ。ユキさん。
私あんパン作ったら学校行ってきます!


だからなんであんパンなんだ。


せっせとパン作りに専念する鈴。
そういや、もう学校始まる時間だよな…
そんなことを考えながらギターを取り出す。

雪斗「…ちからのかぎり~♪
力尽きるまで~
こねろ!こねろ!
小麦という食物を~!!


鈴「あんパンあんパンおいしくなぁれ~♪


雪斗「デュエットか。悪くねえな。

鈴「あ、ユキさん。音がなったら後は出すだけです。
お願い出来ますか?

雪斗「おう。それくらい余裕だぜ。

鈴「私、学校行ってきます!

雪斗「行ってらっしゃいの歌…聞くかい?