「どうぞ、中に入って」

「お邪魔します…先生」

「ん?どうしたの?」

「…下着、干しっぱなし。」

「ギャッ!ごめん!」

私は慌てて下着を寝室に放り投げた。

空は大声で笑っている。

「オレは全然気にしないよ。むしろ、大歓迎。目の保養にもなるし…」

「もう、バカ!…で、何が分からないの?」

「エッ、ああ、この問題集なんだけど…」

私と空は、ソファーに座って、勉強を始めた。

「先生…オレ、腹減って死にそう…」

「エッ…ワッ!もうこんな時間。ちょっと待ってて。何か作ってくるから」

私は、キッチンに行くと、そそくさと、料理を始めた。

…数分後、イイ匂いにつられて、空がキッチンにやってきた。

「うわ。旨そう…」

目を輝かせてみつめているのがなんだか可愛くて、胸がいっぱいになった。

「一口、食べてみる?」

空はニッコリ笑って口を開けた。

私はそこへ料理を一口入れた。

「あち。…うん、旨い!」

そしてまたニッコリ笑った。

食事と後かたずけが終わると、二人でソファーに座った。

「ねぇ、ちょっと、気になってることがあるんだけど。」

「なに?」

「…前に、親は、空に関心がないって言ってたけど、なんで?」

「…オレの父親、再婚してて、母親は死んでいないから、二人目の母親は、血がつながっていないんだ。下に弟がいるんだけど、二人とも、そっちに忙しいから。」

空は、なんでもないって顔をした言った。

「そうなんだ…友達とは?」

「…人と付き合うのがめんどくさいからかな…」

「そんな、かなしいこと言わないでよ。」

私はやるせないきもちになった。

「そんなことより、先生って、彼氏いるの?」

「…うん、いるよ」

「…そいつのこと、好き?」

「あ、当たり前じゃない!好きだから、付き合ってるんでしょ」

私は立ち上がると、キッチンにカップを持っていった。

洗い終わって振り返ると、空が私に抱きついた。

「空…友達なんだから、ダメって言ったよね?」
私が空を見つめた時だった。空は、強引にキスをしてきた。