次の日からだった。

毎日同じ時間に、イタ電がくるようになった。

内容は、死ね・空に近づくな・二股女とかだ。

私と空の関係をよく思ってない子からみたいだ。

私は、我慢することにした。

・・・私に彼氏がいることを知っているのは、ミヤコか、ヨウコしかいなかったから。

私のせいで、傷ついているカワイイ生徒に、何も言うことができなかった。

それに、私が空から離れたら、その嫌がらせも終わると思っていたから。

・・・でも、空と離れてからも、嫌がらせは終わらなかった。

それどころか、どんどんエスカレートしていった。

靴が泥だらけにされていたり、家の郵便受けに、嫌がらせの手紙が入っていたり・・・

そんな時だった。

嫌がらせのことを知った空が、マンションまで心配して、やってきた。

「先生・・大丈夫?」

空が心配そうに私を見つめる。

私は笑顔で大丈夫と答えた。

「寒いから、とりあえず中はいろ」

私と空は部屋へ向かった。

12月に入り、寒さはどんどん増していた。

私は、カバンからキーを出し、ドアを開けた。

・・・目の前の光景に絶句してしまう。

嫌な臭いがして、口を押えた。

「先生どうし・・・なんだよこれ!!」

空も、硬直した。

生ゴミを、郵便受けから大量に押し込んで、散らばっていた。

私はその場に座り込んでしまった。

見かねた空が、ゴミを全部片づけて、私を部屋の中に入れて、ソファーに座らせた。

「先生・・・ずっと、一人で我慢してたの?」

「・・・ここまでされたことなかったから、我慢できてた。でも。。。」

私は手で顔を覆い、泣き崩れた。

自分に責任があると思ってた、だから我慢してたのに…

私はもう、我慢の限界だった。

「なんで、先生にこんな…」

空は私を抱きしめた。

「先生…オレ、もう我慢しない。先生を、心から愛してる。・・・オレに、先生を守らして」

そう言って、優しくキスをした。

…わたしも、空が好き。いつの間にか、アッ君よりも、ずっとずっと

・・・私たちは、一夜を共にしてしまった。

 朝、目が覚めると、空のカワイイ寝顔があった。

…空のことが、好き。自分にウソはつきたくない。

・・・でも、私にはアッ君がいる。空を好きになったから、受け入れちゃいけなかった。

「先生、泣いてる…」

目を覚ました空が、私の涙をそっと拭った。

「空…私、あなたが好き。」