『空疎な午後の閑雅な知らせ』


空は高く
猫は眠い
日だまりは透明
影も透明
遠足に向かう沢山の小学生すら
ヒソヒソと囁き声の喧騒

色はなく
音は遠い

空疎な日に僕は
誰かにとってただの知り合い
となり
でも誰も僕を取り残したとは
思わない

そんなことに気づく
誰も気づかないお知らせ
秋だから…だよね

はらはらと木の葉のように
切なさが疼き
すぐさまそれが
痺れるようなエクスタシーに
変わっていく

そんな漠然とした愕然を
コイン2枚ほど支払って
僕は無償の愛を手に入れた

この時点で僕は
どんな大富豪よりも
豊かで贅沢な秘密の支配者
世界を手に入れても虚しいけど
僕は苦しいほど満たされて
優雅にベンチに腰掛けている

手にはテイクアウトの
温かい紅茶
痛みはミルクみたいに
それを甘く修飾して

空疎で閑雅で
静かな午後に
僕は玉座でうたた寝をする