『生まれつき凶器』


全世界の愛するキミへ

遠くからキミに知られずに見守って
いるくらいが狂犬の定めだ
愛され過ぎないよう俺はキミに
取り返しのつかない罪を犯すんだ
二度と互いに近づけないように

俺などいなくても
キミはやっていける

いまだに自分を凶器だと思う
こうしていても
自分の書いてるメールやら
日記やらコメントやら言動やらが
誰かの心に突き刺さっている
のかも知れないと危惧している

一見して屑だとわかれば良い
「傷つきたかったら来い
最初から最悪な気違いだと
宣言してやってるんだから
有難いと思え」
と紙に書いて
サンドイッチマンみたいに
被って歩こうか
そうすればこの世は平和だ

“ハリネズミのジレンマ”は
俺の専売特許だ
同じように悩んでる君は
いますぐパテント料を支払い給え
人格最低のクズ野郎は
永遠にクズ野郎だ
変わらないし改善の余地はないんだ

残念だが
自分には期待しちゃいけない
苦しむだけだ
良い子でいようと努力してきた
悪い子だとどこかで
わかっていたからだ
だがもう無理だ
狂犬は狂犬のままだし
屑は屑以上にも以下にもなれぬ
「知っていて近づいたお前が悪い」
と言うには第一印象が美し過ぎるし
優し過ぎる
外見と中身を近づけることに
諦めは必要だろう
なんて誠実なんだ!
気違いじゃないみたいだ

俺の中には天使と悪魔が等分にいて
まるで食虫植物のような綺麗な色と
良い香りと残酷な消化液が
システマチックにビルドインしてる
癒して、挙げ句、生きたまま喰う
本当最悪だな
生まれつきそういう仕様なんだから
仕方ない
「まあ…傷ついて学んでくれ
あなたがどれだけ
他人に期待してるかをな!」
なんて言えたら気分も多少は晴れる
…そして殴られるしまいに殺される
お互い良い気味だ

諦めだけが肝心だ
最低な自分を受けとめたとき
凶器である血まみれの自分の
凶悪さを認めたとき
そこに至福と恩寵がある

さて
泣いてるキミに悪態をつく
慣れたよね
屑同盟に乾杯!
愛してる
全部