美月は
次々に屋敷にいたものを
殺していった。
心臓を一突きではなく
首を切り落としたりして
血が大量に溢れる様に
切り殺していった。
そして
ちょうど
その場にいた最後の者に
手を掛けた時…
「美月…」
誰かが後ろから
美月の名を呼んだ。
『暁?』
返り血で血まみれの美月は
振り返りながら言う。
そして
慈しむかの様な目で微笑んだ。
『暁。
やっと見つけたよ、私の主を』
微笑んだ美月を見て
暁は寂しそうに言った。
「美月の心は満たされた?」
『え?』
美月は殺すことへの快楽に
溺れていて分からなかった。
『分からない。』
「なんで?
主を見つけたのに?」
『分からない。』
暁は質問をぶつける。
「どうして?
あんなに
見つけたがっていたのに?」
『分からない。』
「主を見つければ
満たされるんじゃなかった?」
『分からない!』
「答えてよ、美月…」
今にも泣きそうな声で
暁は言った。
何かを悲しむように…
