駄目だ!止めろ!


美月の中で
何かがそう叫んだ。


だかその叫びも虚しく…


私は刀を抜き
英を手に掛けた。


血にまみれた英は
とても美しかった。






その部屋には

蒸せかえるような
血生臭い匂いが
拡がっていた。


しかし、美月には
血の芳醇な甘い香りだった


そして…

『見つけた、私の主を。

こんなにも傍にいたのに
なんで
気が付かなかったんだろう。』

と言って
極上の笑みを浮かべた。




美月が見つけた主とは…

“欲望・本能”


『もっと、もっと、もっと、
もっと・・・血が見たい。』