そして
8年という歳月が流れた。




その間に私は
二人の家来を得た。


名を暁、英。

暁、英共に
美しい容姿だった。



諏訪家に
伝わる契約を交わした。




その契約とは
ある特殊な陣を描き
主となるものと
家来になるものが
陣の中に入り、


家来が主に
血を捧げるというもの。



今、思えば
英の時は凄く苦労した。












「美月様!
僕、光栄です。
ずっと美月様のお側に
いたいと思っておりました。」

『ありがとう。
今から契約の儀を始めたい。
少し黙って貰えるか?』

「す、すみません。
僕って本当にダメな奴で
あ、でも、
美月様の家来になったからには
誠心誠意頑張るので…


―約30分経過


ですから僕は
美月様のためならなんだって
出来ます。」

全く面倒な奴を
選んでしまった。

失敗だったか…


『もう終わったか?』


「へ?」

『随分と
熱弁してくれたね。』


「す、すみません。
ほんとに、真に
申し訳ありません
僕って奴は…


また始まるのか。
今度は
どれくらい待たされるんだ。

ある意味凄いな。
話し掛けても
全く気が付かないのは、

「そこまでにして
貰おうか、英。
美月が困ってるぞ。」

『暁。』

そうそう暁が
止めてくれたんだよな。












暁とは色んな話をしたな。

暁は、気さくで聞き上手で
ついつい何でも話してしまう。


そういえば
あの日のことも話したなぁ。


家族よりも
まだ見ぬ主を心配したこと。

あの日から欠けた私の心


暁に答えの無い質問をした。

『私の心は
いつ満たされる?』


「分からない。でも、
明けぬ夜が無い様に
満たされない心はないよ。
大丈夫だよ、美月。」

そんな曖昧な答え
分かりきっていた答えだった
けど心が温かくなった。