諏訪家が皆殺しにされた。

その場にいた私の家族も皆
無惨な姿で死んでいたそうだ。



その話を聞いたのは
事件が起きた次の日の朝だった。












「みっちゃん!みっちゃん!」


『おはようございます。
おばさん、そんなに慌てて
どうかしたの?
そういえば
あのおばさん、昨日の夜
誰も帰って来なくて
いつもなら
帰れないときは
連絡だけはくれるのに…
何か知ってる?』


「みっちゃん。
落ち着いてよーく聞くんだよ。
みっちゃんの家族はね、
昨日の晩に皆
亡くなっちまったよ。
諏訪家が襲撃されたらしくてね
皆それの犠牲に…
諏訪家の方も
助からなかったらしくてねぇ。」

『え…?
何言ってるの、おばさん?』


私の主がいない?

嘘・・・



この時から
私はまともでなかった。

家族よりも
まだ見ぬ主の死を
考えたのだから。



その後、私は直ぐに
当主になることになった。



誰もいない今、
いるのは私のみ。