気付いたら亜美のことを抱き締めていた。
「!?ちょっと…何すんの!?離してよ、痛い!」
「離さない。離したら、お前逃げるだろ?」
「!」
力を込めて亜美を抱き締める。
「もう一回だけチャンスやる。オレにあのチョコくれたの、亜美だろ?」
「な…!ち、違うって言ってるでしょ…!」
「…じゃあ、何でお前、そんな顔してんだよ?」
オレは亜美の身体を引き離して、亜美の顔を覗き込む。
亜美の大きな瞳からは涙。
そして、オレを見た瞬間にピンクに染まった頬。
―――かわいすぎるし。
言葉で何を言おうと、身体は正直だよな?

