楠さんの恋人!




「…とりあえず涙拭いてコレ飲みな」


そう言いながらほのかは
ティッシュと飲み物を渡してきた。


私はそれを受け取って
涙を拭き、飲み物を口にする。


夏には不似合いな
ホットココアで……

そのココアが意外にも
私の心を落ち着かせる―…


「ココア…ありがと。」

たった一杯のココアを
飲み終えるだけに、どれだけ
時間を費やしただろう…?

私が飲んでいる間
ほのかは私の傍に座り、

黙ったままだった。

「ほのか…迷惑かけてごめんね?」

「迷惑なんかじゃ無いよ。
嫌だったら家に呼んでないから。」

「確かにね。ほのかならありえる!」

「まーね。てか落ち着いた…?」

「うん。お陰さまで。……ほのか?」

「…なに?」


ほのかだから思う。

「私の話し…聞いてくれる…?」


自分だけじゃ苦しくなってきた…

だから…
我が儘だけど聞いて欲しい……


「もちろん。どんな話しでも、
千尋だったら聞くよ?」

「ありがとう。あのね―…」