楠さんの恋人!




「千尋…大丈夫?
話せたらでいいから。
一人で悩み込まないで…?」

「うん…あ…りがとっ……」

「…何か飲み物持ってくるね」

パタンッ…―

ドアの閉まる音が寂しく
部屋に響く―…


私…いつからこんなに
弱虫になったんだろう。



自分で自分が嫌になる…


誰にも言うつもりは無かった。

先生への気持ち。

ずっと仕舞い込んでいようって
思ってたのに。


先生には泉先生っていう
大切な人が居て…

ましてや生徒と教師なんて
大きな壁があるなか、
叶うはずのない恋。


でも―…

それでもいい。

先生が幸せなら、私だって嬉しい…


そう思ってたはずなのに

帰り道、
後藤くんの話しをしてた時に
私の頭をよぎった。


先生が…

先生じゃなければいいのに…

そんな考え――…