楠さんの恋人!






コンコンッと二回ノックし、

「失礼します。」

静かに保健室のドアを開ける。


「あらっ!いらっしゃい。」

「えっ…あれ…?」


開けたドアの先には、
いつも居るはずの
保健の先生姿は無くて……


「こんにちは。貴女が
初めての保健室利用者よ。」

そう言って微笑む、
二十代後半くらいの
綺麗でパワフルそうな
女の先生だった。


「さっ、どうしたの?
怪我?それとも体調不良?」


「あっいえ…その…。」

サボるためだなんて言えないし……

どうしよ……


口ごもる私を先生は
とにかくソファに座るように促した。


「来てくれて嬉しいわ。
私は産休に入った高木先生の
代わりに来たの。
知らなかったかしら?」