「もっくんが居ない…」
いつも入口の真横に置いてある
もっくんの姿が見当たらなかった。
「まっ…まさか…誘拐!?」
「なわけ無いでしょう。」
「ですよね…って!」
驚いて思いきり後ろに振り向くと
先生が立っていた。
「いつから居たんですか!?」
「楠さんが準備室に入りたく
なさそうにしてる所からですかね?」
それってかなり最初じゃん!
居るなら言ってよ!
と悪態つきたい所だけど正直安心した。
私は怖い物が大の苦手。
人体模型と一緒に
こんな日当たりが悪くて
人通りの少ない準備室で
先生を待つのが嫌だった…
だから助かったんだけど…
「先生、もっくんは?
あれ無いと困りますよね?」
「あぁ、あれですか。
あれは別の所に移動させましたよ。」
「えっ?何でですか?」
