一目で青年の家だと思った。青年の漆黒の髪のようにモノクロで揃えられた家具が落ち着いた雰囲気を醸し出していた。



「……そうやっ!名前!君の名前は?教えてくれはる?」



リビングで辺りを見回していた私に人懐っこい笑みを向けた



「………港。」

「……みなと?漢字は?名字は?」

「漢字は漁港の港、名字は……………聞かないで。」



訳あり、だと自ら言っているようなものだけど、他に何て言っていいかわからない。



「そっか、じゃー、今度俺な。天野宵樹。宵でも宵樹でもどっちでもイーからな。」

「わかった。ショウね、」

「………せめて漢字で呼べや………」



見るからにガックリと肩を落とす青年……ショウ。
可愛くて笑ってしまう。



「っくそ、どっちが年上や思うとんねん………まぁ、ええわ。港、風呂はどないすんねん。」

「………お風呂………ショウは?」

「俺はもー、入った。女の子はお風呂入りたいんやろ。はいってき、着替え持っとる?」

「………わかった。着替えは、明日の分しかない。」

「……まぁ、ええわ。俺のスウェット貸すからそれ着て今日は寝ぇ。」

「うん、じゃ入ってくるね」



黒のスウェットを貸してもらい洗面所に入り、服を脱いだ。









「…………ながい。」



いや、わかってたんだけど。
わかってたんだけど。


ズボンの裾が長くて引きずってしまうからはいてないのに、上のスウェットは膝少し上まで降りる。


「デカイよ。わかってたけど…」