「……イヤイヤイヤイヤ、ちょお君なに考えてんの?もう、12時近くやで?今からじゃ海いかれへんよ!終電も無くなるし…」
焦ったように話す青年。
なぜ、あなたが焦るのだろうと不思議だけど。
「何処にあるか、場所だけ教えてくれたら良いよ。独りでいける……土地勘はないけど方向音痴ではないから大丈夫だよ。」
「ちゃうって!あぁ………もうっ!!!!」
青年は何かを決意したように私を見据えた。
「明日俺が案内したるから…今日はやめとき。泊まるとこはあるん?」
「…………ない。」
「……はぁ!?」
呆れた顔が暗闇でもわかる。
青年はなんで私に構うのだろう、ほっとけば良いのに。
「あーもうっ………俺ん家来いっ!!!」
「……いや、迷惑でしょ?良いよ。」
「あんな、迷惑やったらこんなこと言ってないし、未成年を夜中にほっとくほど極悪人ちゃうねん!」
「………あなただって未成年、」
「そこはツッコムな!」
はぁー、とため息をつかれた。


