朝食を食べ終え、支度をする。
昨日使った服や貸して貰ったものを整理して申し訳ないと思いつつ…洗濯機に投げ込む。
持ってきた荷物を全て持ち、リビングで用意をしていたショウに声をかける。
「ショウ、お待たせ。」
「おぅ、準備できたか。ほな、いこか。」
火元の確認をし、玄関で靴をはき、家を出てショウが鍵をかけた。
「いこか、電車やで。」
「うん。」
歩きはじめてすぐ、昨日闇に包まれていた道が見えてきた。
真っ直ぐに続く緑の路。舗装はされているけれど道端に草や紫の小さな花や色とりどりの花がいくつか咲いている。ふと、横を見れば川が流れていてせせらぎが聞こえる。太陽に反射してキラキラと輝く川。ここは土手なのだ。寒いけれど温かな春の日差しが柔らかく私を包んだ。
昨日と全く違う見え方がなんだか私を余所者として扱ってるようでちょっと目を伏せた。
___疎外感を感じる。
余所者なのはわかってるけれど、なんとなく、昨日と違う顔に改めて感じさせられる。
逃げても、意味がないのだと。
横で黙々と歩いていたショウが急に口を開いた。
「昨日はここらへんで会うたなぁ。そういえば、なんの写真撮ってたん?」
「…見えてたんだ。」
「あぁ、シャッター音きこえたしな。」
「……そら、だよ」
「空かぁ。見せてくれへん?」
「……だめ、全然だめだから。」
ダメなの。まだ、まだ、こんなのじゃ。


