ボス、とベットに投げられる。 スプリングが跳ねてバランスを崩す。 「はい、港はココな。…おやすみ。」 サラリと、私の髪を撫でソファに向かった。 何故だか、無性に泣きたくなった。 分からないけれど、泣きたくなったの。 鞄の隙間から見える“一眼レフ” 私の好きなもので嫌いなもの。 レンズが此方を向いていて私を映す。 アナタでもう一度撮りたかった。 満足したあの一枚を。 流れ落ちる涙がシーツを濡らす。 慌てて拭うけれど、ポロポロと落ちていく。 ただ、涙だけが落ちていった。