誠の道ーキミと共にー

私は視線を浪士に向けると
一気に浪士との間合いを詰め、片方の胸ぐらをつかむ。




もう片方は傍らで立ち尽くしていた。



すると浪士2人はみるみる顔を恐怖でこわばらせていった。



「す、すまねえ!


 あんたの女だとは思ってなかった、許してくれ!!」



なんて、情けない言葉を浪士からかけられた。



しかしそれは璃桜にとって重要ではなかった。



この人に手を出したのに起こったのではない。



花を無駄にし、侮辱したことに腹を立てていたのだ。




そんなこともきずかないのか、一発殴ってやろうか。



と、本気で思ったが、やめた。



背後から気配が聞こえる。



1人、2人・・・4人?いや、5人だ。



その中に、只者ではない気配を感じ、早くここから去るべきだ、と本能が告げている。



私は掴んでいた手を放し



「2度とこのようなことがないように。分かったなら行け。」



投げ捨てるように言った言葉に浪士たちは「ひぃっ」と腰を抜かしながら去っていった。