誠の道ーキミと共にー

璃桜が後悔の渦に巻き込まれていると、浪士2人が「なんだ、てめぇ?」と、訝しげな視線を送ってきた。



璃桜は後悔の念を取り払うように軽く頭を振ると、
わざとらしく肩をすくめて見せた。




「なんだ、とは心外ですねえ」





そして次の瞬間、その場の空気が凍りついた。



それは、殺気込めた瞳が浪士2人を捉えたから。




「俺の女に手ぇ出すなよ。」




つづく言葉に、浪士2人の顔から笑顔が消えた。



まあ、この女性は私とは何の繋がりもない人だけど、そういう設定のほうが何かと楽そうだしね。



と、心の中で考えていると、囚われていた女性が私の背に隠れた。




この女性と面識はないはずなのに、頼られている?




その事実に目を疑ったが、後ろから聞こえてくる女性の言葉にもまた、耳を疑った。



「私の名前は、『さよ』です。」



まるで、本物の恋仲であることを主張しろと言わんばかりに女性は声をかけてきた。



見た目に反して勇気のある女性だな-------



そんなことを考えつつ、璃桜は演技をつづけた。



目の前に広がる花びらを手に取り、




「さよが、俺のために摘んできてくれた花をこんなにしちまって・・・



 どう、責任取るつもりなんだ?」