ある満月の夜、
ひときわ強い風がふいて、
辺りに広まっている生臭い血の匂いは
遠くまで飛ばされた。
-------ザシュッ
「ぐあぁっ!」
刀を持った男が倒れると、
ソレの影がぼんやりと満月によって
映し出された
辺りには、複数の影が倒れたいた。
野犬の遠吠えもきこえない。
人の気配もしない。
聞こえるのは、風と
それになびく木々のざわめき。
そして、ソレのうめき声。
ここはまるで完全に人間たちと
隔離された別世界のようだ。
生命の息が聞こえない。
植物までもが、息を殺し
ひっそりと立っているかのようだ。
ソレは辺りを見回して
ほかに人間がいないのを確認すると
闇に消えた。


