誠の道ーキミと共にー

「だから何だ」



沖田の声が部屋に響いたのは。




「それでもお前は、俺たちの監視下にいなければならない。
 だから、どんな時でも対処できるように俺の組に入れた。


 …そんなことも分からないのか」



表面上では厳しい発言だが、沖田なりの優しさが含まれているのを近藤と土方は気づいていた。



「私は…!」



カッと顔が赤くなり、反発しようとした璃桜だったが、すぐに視線を逸らした。



「…なんでもない」




その声は消え入りそうなほどだった。



そこでふと、松本が口を開いた。




「無理強いはしないが、辛い時は泣き、言いたいことがあるなら言わなければ伝わらないぞ」


バッと璃桜は松本を見た。



松本はちらりと璃桜の顔を見た後、そのまま続けた。



「なんのために口がある?
 言葉を発するためだろう?


 心は、何のためにある?
 …感情を抑え込むための器じゃないだろう。」



璃桜は誰にも気づかれないように、ぐっと唇をかみしめた。