-------私はさっき、何を言おうとした?
父が死んでから知った、「私の正体」
父の遺品整理のため、部屋をかたずけていた時に見つけた冊子。
それには、ある地の伝承として「治癒の姫」のことが書かれていた。
そして、それの姫は私の母であり、私もその力を受け継いでいることも知った。
父と母の馴れ初めなどを知ることはできなかったが、父が日記として残していた、見つかったすべての日記を読んだ。
そして知った、「母の秘密」
信じたくなかった。
見つけなければよかった。
遺品整理をしなければよかった。
-------母が、そんな人だったなんて。
そして、神たちは私の存在に気づいていない。
もし、私の存在を知ったならば、間違いなく私は抹殺されるだろう。
そんな危険にこの人たちを巻き込みたくない。
一瞬頭に浮かんだ邪念を取り払い、再び瞳をあけた。
そして、私はここにいられないと伝えるために口を開いた。
その時だった。


