誠の道ーキミと共にー

ずっと昔、私はこの声を聞いたことがなかったか。



その問いの答えが返ってくることはなかった。



闇に引きずり込まれそうになった私の思考は
吹いてきた一陣の風によって遮られた。




『今やるべきは、考えることではない』




そう、風が告げているようだった。



私は、我に返ると苛だちが胸に迫ってくるのを感じた。




まったく、情けない。これだから人間たちは。




私は眉根を寄せながら内心毒づいた。




悲鳴が聞こえたのに見て見ぬふりの周囲の人々。



そして、この騒ぎを起こした張本人、あの浪士2人をぶん殴りたい気分になった。




私は団子を食べおえると、前に歩み出た。



目の前に広がる花の残骸を見つめながら問うた。





「-----あなた方について行ったところで、その女子に何の利益があるんです?」







すると、浪士2人のみならず、周囲の人々の視線も一気に受けてしまった。



しまった、でしゃばりすぎた-----


しかし、時すでに遅し。


今更後悔しても、どうにもならない。