誠の道ーキミと共にー

父がこの世を去ってから一年余り。


父が私に残してくれたあの大きな屋敷を売り払い、旅を初めて約半年。



やっと、この生活にも慣れてきたと思う。







加賀美 璃桜------------



これが私の名前。
歳の頃は17と3月


私の父は16の時に病でこの世を去った。


私はやりたいことがあって、あの家を売ってまで旅に出てきた。


なにかあってでは困ると思って、一応男装はしていたが見た目がか弱そうに見えるのだろうか

道中、たくさんの賊に襲われかけた。



まあ、その度に返り討ちにしてやったんだけど・・・




道中での出来事を思いだし、旅人たちがすれ違う参道を歩きながら苦笑いを浮かべた。



もう少しで京に入る。



その前に腹ごしらえでもしようと近くにあった甘味処に入った。


注文をしてから外の席に腰をおろし、団子を食べていると目の前の道を女の人が急ぎ足で通りすぎていった。


女の私でも見惚れるくらいの美しい女性だった。


無意識のうちのその人を目で追っていた。


なんて、きれいな人だろう・・・




すると、女性の歩みが止まった。




「なあ、俺たちとお茶しようぜ」




その理由はすぐに分かった。


「すみません、急いでいるので・・・」


女性が前から来た浪士2人に絡まれていたから。