誠の道ーキミと共にー

沖田の必死の懇願は通じないと思った。



引っ張れないのなら、俺が代わりにあの立てかけらえていた物たちの下敷きになろう。



そして、ただ呆然と立ち尽くしていた璃桜の体を自分の腕の中に閉じ込め、迫りくる防具たちに背中を向けたとき。



立てかけられていたのは竹刀だけじゃない。


槍も、数本立てかけられていた。



運悪く、それが俺に刺さるかもしれない。

それをこの子に見せるわけにはいかないと、璃桜の後頭部に手を当て自分の肩口に顔を埋めるように抱いたとき。




目を疑うようなことが目の前で起こった。



------璃桜の背中から、大きな真っ白い何かが見えた。



そして次の瞬間には、元いた位置から離れた場所に立っていた。



我に返ったのは、竹刀やらなにやらが床におちた音を聞いたからだ。




自分の身に何が起こったのかわからない。



ただ、呆然と立ち尽くしていた沖田は璃桜がすでに自分の腕の中から姿を消していることに気づかなかった。