誠の道ーキミと共にー

沖田side



この一発で終わらせる。



さっき、どこからかこの試合をやめるべきだと土方さんの声がしたが、審判からの中止の指示はまだ出ていない。




・・・確かに、こんな試合ごときに使う技でもないだろう。



それは俺も十分理解していた。




けれど、体が勝手に動いていた。




--------俺は期待していたのかもしれない。



今まで、俺を負かすことのできる人間などいなかった。



成長するにつれ、強くなり、試合を申し込むと、何かしら理由をつけられて断られてきた。



その拒絶が、嫌いだった。



俺の剣が苦手なんじゃなくて、俺自身が嫌われているような気がしてならなかった。



それが嫌で、一時期、俺自身も権を握らない時があった。



でも、強く成りたいと思ったのは、誰のためだったのか。



おれは近藤さんのために強くなりたいと思った。



その為だったら、何も気にすることはない。



何色にでも染まってやる。