誠の道ーキミと共にー

にしても、化け物か、こいつ。


総司の一撃を捉えやがった。



「さすがだね、総司がみこんだだけある」


「ああ・・・

 最初の一撃は並大抵のものだったら---」


「逝ってたね」


2人の会話に隣で聞いていた隊士がどん引き。


「・・・首の骨折れただけだろ。」


「いやいや、首の骨折れたら確実だよ」



生々しい2人の会話にさらに隊士の顔色は悪くなるばかり。


けれど、山南は笑顔のまま。




でもまあ、確かにすごいことだね。


あの攻撃を止めれるのは、一君とか、それ以上の隊長格だけだね、きっと。


あの攻撃を止めるには、近づく竹刀の振り切る音、それだけじゃない
直接空気に触れている肌で感じないとあんな
やすやすと止められない。



耳と、肌。


これは絶対に必須条件。



この2つが揃っていても、確実ではないだろう。



あとは、この世に持って生まれた能力。


反射神経、勘・・・



あの子は一体、どんな生活を送ってきたのだろう。



(これはさすがに俺も予想外。

 こんな子がいたなんてね。)


近藤は土方に悟られないようにわずかに口角を上げた。