誠の道ーキミと共にー

そんなことを思っていると土方は刀を鞘に納めた。


「すまないね、璃桜くん。


 ・・・確かに、総司は二重人格なんだ。


 でも、隊士たちの間では総司は「狼」のほうでやってるから、このことは誰にも言わないでほしい。約束してくれるかい?」



「はい。分かりました。」


「それはよかった」そういって近藤は微笑んだ。



話はそれだけですか、そう言おうとしたら、外から来た言葉に遮られた。



「近藤さん、土方さんこっちにきてないですか」



「おや、この声は、原田君かな」



襖が開くと、1人の男が姿を現した。



男は、私の姿を視界にとらえると「おっ」と声を出した。



「昨日のお嬢さんじゃないか。


 昨日はいきなり倒れちゃったみたいだけど・・・

 元気そうで何よりだ。」



そう笑顔を向けると、すぐに土方さんのほうに視線を向けた



「土方さん、10番隊、ただいま巡察を終わり無事、屯所に戻ってきました。」



「ご苦労。

 原田、特に、変わった様子は?」



「いつも通り、平和です」



原田と呼ばれた男は、報告を終えると、再び私のほうに向きなおった。



「俺は、10番隊隊長原田左之助。よろしくな」