誠の道ーキミと共にー

先に折れたのは山崎の方だった。


山崎はひとつため息をこぼすと呟くように言葉を紡いだ


「・・・近藤局長を始め、幹部全員があなたのことを信頼している。あの土方副長までも。」


「土方さん?」


「副長は何事にも冷徹無欠。新撰組のため、己を捨て、鬼の仮面をかぶり、それの邪魔になるものならばすべて斬って捨てる。その副長にまで信頼されているのに・・・」


「山崎さんは俺のことを信頼できないと。」


続く言葉を予想してみると、ぐっと唇を引き結んで黙った。

あらら、図星だった?


「俺のどこが信用できないですか?」


「あなたの口調。」


は?山崎から発せられた言葉にしばし、固まった。


(これは予想外すぎたわ・・・)


「幹部の皆さんの前でと、隊士たちの前では砕けた口調のはずなのに、何かが違う。そして、俺と話すこの瞬間でさえも。」


離桜は苦虫を潰したかような顔をして見てくる山崎をじっと見上げた。


「っあっはは!!」