誠の道ーキミと共にー

ふむ、と顎に手をあてて考え込む。


隊士たちに傷を負わせたのは神獣だった。
神獣につけられた傷には何か特別なものでもあるのか?


うーん、と考え込む私に近づく人影があった。


ぱしゃ。



すぐそばで聞こえた水音に顔をあげるとそこには沖田さんがいた。


「あまり気を詰めすぎるな。ずっと隊士たちを診ているんだろう?」


あ、さっきまでは土方さんたちが一緒だったから小動物みたいだったのに、いまでは『いつもの隊長』だ。

もう狼か・・・


それはまだ私に気を許してないってことで・・・

それはそれでちょっとショック・・・


「いえ、大丈夫です。」


にこり、と微笑んで目線を隊士に戻す。


手で隊士の熱を確かめる。


この人も、熱はない。
なのに、起きる気配はない。


手探りで水桶に手を入れ、濡れ布巾を探す。


「・・・あ。」


桶のなかをかき混ぜながら探すが、一向に濡れ布巾を掴めない。

そこでやっと桶のなかを見て、もう濡れ布巾をきらしているのに気づいた。