誠の道ーキミと共にー


「アブリエルッ!!」


「・・・離桜、落ち着け!!」



がるると喚くように沖田さんに羽交い締めにされながら暴れる。



「離桜ッ!!」




「・・・姫は精神が非常に不安定な状態にある。不本意ではあるがここは一旦引こう。姫の精神不安定は俺の顔のせいだから・・・」


木の幹に座り込んでいたアブリエルが木の幹に寄りかかりながら立ち上がった。



右腕を抑え、顔を苦痛に歪めていることから負傷したことが伺える。




「姫、どうかお許しください・・・」



アブリエルはそう言うと私の目をじっと見つめてきた。

藍色がかった瞳。
その瞳に見つめられると頭が動かなくなる。

気が遠くなるような気がした。


次にアブリエルが瞬きするとき私の意識は完全に途切れていた。