林を抜けるとそこには生きた人間は居なかった。
聞こえていた人々の声はもう遠くに行っていた。
砂ぼこりの舞う地面の上に人を遥かに越えた獣が対峙していた。
「あれは・・・」
そこにはアブリエルの連れていた神獣と、その神獣と同じような大きさではあるが、形の違う獣がいた。
鳥ではない。
動物に例えるものがいない。
「・・・あれは巨大な人間か?」
隣で沖田さんが呟いた。
先ほど見せた可愛らしい子犬のような表情ではなかった。
神獣は前にも見たことがあるのでそこまで驚かなかったようだが、目を見開き茫然としていた。
「人間のように見えますね・・・しかし、あれは人間の形をした神獣ですね。」
「神獣?」
「あ、えっと・・・天界にすむ動物です。人々に奉られる動物ですよ」
「そうなのか・・・」
本当に神獣なのかどうか、定かではないがあんな動物がこの世にいるとは思えない。
となると、やはり天界の神獣だろう。
「アブリエルの姿が見えませんね・・・」
「あぁ。あと、新八さんと、左乃さんも見えないな。まさか・・・っ!!」
ザシュッ
「う、うぁああぁ・・・」
背後を振りかえると刀を持ち上げたまま、浪士が前のめりに倒れた。
「あ、ありがとうございます」
「いや、怪我はないか?」
「大丈夫です」
どうやら、背後に近づいていた浪士の気配に気づけなかったようだ。
そこを話しながらではあったが、気配を察してくれた沖田さんに助けられた。
「大丈夫ならいいんだ。」
優しい微笑みを向けられて、視線を横にずらした。
沖田さんに優しく笑いかけられると時間を忘れて見惚れてしまう。
それは、自分がこの人を意識しているから仕方ないのだが、どう考えてもそれではいけない。
(そうだ。私はあの女朗さんのところに無事に沖田さんを連れて帰さなければいけないんだ。見惚れてる場合じゃない!!)
顔をぱんぱんと叩いて、気持ちを入れ換えた。
聞こえていた人々の声はもう遠くに行っていた。
砂ぼこりの舞う地面の上に人を遥かに越えた獣が対峙していた。
「あれは・・・」
そこにはアブリエルの連れていた神獣と、その神獣と同じような大きさではあるが、形の違う獣がいた。
鳥ではない。
動物に例えるものがいない。
「・・・あれは巨大な人間か?」
隣で沖田さんが呟いた。
先ほど見せた可愛らしい子犬のような表情ではなかった。
神獣は前にも見たことがあるのでそこまで驚かなかったようだが、目を見開き茫然としていた。
「人間のように見えますね・・・しかし、あれは人間の形をした神獣ですね。」
「神獣?」
「あ、えっと・・・天界にすむ動物です。人々に奉られる動物ですよ」
「そうなのか・・・」
本当に神獣なのかどうか、定かではないがあんな動物がこの世にいるとは思えない。
となると、やはり天界の神獣だろう。
「アブリエルの姿が見えませんね・・・」
「あぁ。あと、新八さんと、左乃さんも見えないな。まさか・・・っ!!」
ザシュッ
「う、うぁああぁ・・・」
背後を振りかえると刀を持ち上げたまま、浪士が前のめりに倒れた。
「あ、ありがとうございます」
「いや、怪我はないか?」
「大丈夫です」
どうやら、背後に近づいていた浪士の気配に気づけなかったようだ。
そこを話しながらではあったが、気配を察してくれた沖田さんに助けられた。
「大丈夫ならいいんだ。」
優しい微笑みを向けられて、視線を横にずらした。
沖田さんに優しく笑いかけられると時間を忘れて見惚れてしまう。
それは、自分がこの人を意識しているから仕方ないのだが、どう考えてもそれではいけない。
(そうだ。私はあの女朗さんのところに無事に沖田さんを連れて帰さなければいけないんだ。見惚れてる場合じゃない!!)
顔をぱんぱんと叩いて、気持ちを入れ換えた。


