誠の道ーキミと共にー

沖田、加賀美side



「げほっ、げほっ・・・」



沖田から漏れた、嫌な咳に離桜は顔を歪めた。



「沖田さん・・・風邪、大丈夫ですか?」


「うん、大丈夫だよ。寒いのに上着も着ないで縁側で涼んでたのがいけなかったかな。」



走りながらなので、詳しく顔色を伺うことは出来なかったが、微笑んでいう彼の顔は確かに青白く見えた。



(大丈夫かな、沖田さん・・・。やっぱり、屯所に戻った方が・・・)



しかし、沖田が素直に言うことをきくとは思えない。

風邪の件は無事に屯所に戻ってから松本先生に見てもらおう。



「加賀美。」



「はい。」



「お前の行った通りだ。俺にも聞こえる。」



自分達が走る林の先に光が見えた。

どうやら出口のようだ。
そこを抜ければ町に出れる。



沖田さんが顔を引き締めていった。




「・・・色んな、混じりあった声が聞こえる。」