しばらくの間。

火花が飛んでいるんじゃないかと思うほど、二人は睨みあった。



「な、なんだなんだ?あの男は、総司たちと知り合いなのか?」


「・・・のようだな。総司にとっては仲のいい知り合いというわけではなさそうだがな。」



後ろの方で永倉さんたちが話しているのが聞こえる。


ふと沖田さんを見上げると、私の視線に気づいたのか私の目線をあわせにこりと微笑んだ



「っ!!」



ばっ、と目をそらす。


それは優しい微笑みで。
一気に頬に熱が集中するのが分かった。



(もう、なんでこんなに不意打ちが多いの?!)



さっきの、私のために言ってくれたあの凛とした強い意思を持った発言と。

今日の沖田さんは私を戸惑わせる。


(うわ、凄い胸の鼓動が速い・・・)


なんだか苦しくて、きゅっと自分の着物の袷の部分を握った



「加賀美?」


私を心配する声が聞こえた。