そんな人たちを苦しめるわけにはいかない。
でも、体が重い。
思い通りに動いてくれない。
・・・それでも、助けるんだ。
こんな私でも、助けに来てくれたみんなのために。
・・・あの人のために。
沖田さんの帰りを待つ、あの人に為に。
ははっ、本当にお人好しだなぁ、自分って。
そんなことを思いながら、もう一本、腰に差している刀を抜いた。
母様・・・
あんなに疎んでいたのに、まさかあなたの力に頼ることになるなんて。
今更虫のいい話ですが、力を貸してください。
あの人たちを、助けるために。
スラリと、剣を抜く。
その抜刀時に溢れ出た光。
神々しく優しい光。
それに包まれた浪士は、何か手を下したわけでもないのに、地に倒れ付した。
きっと浪士たちに取り憑いていた何かが、体から出て行ったのだろう。


