誠の道ーキミと共にー



私は、隣にいる、いや抱きしめてもらっている沖田さんを両手で押して腕から逃れようとした。


しかし、それに気づいた沖田さんが、剣を振るいながら言う。



「加賀美、じっとしてろ」




よくもまあ片手だけで剣を振れるものだなと感心する。

剣を振るといっても、相手からの攻撃を剣で防いでその間に、相手に蹴りを入れたりして応対しているのだが。




でも、それだって沖田さんの体力が失われていくだけで相手からの攻撃は途絶えない。



「・・・沖田さん、戦わせてください」



「無茶言うな。
 だれがそんなに怪我をしているお前を戦わせると思ってる」



確かに、璃桜には今までの戦いでついた傷が何箇所もある。
致命傷ではないが、着物には斬られた跡もあるし、血も滲んでいる。


本当は、もう動けない。
それくらい、身体に傷を負っていた。



「私は平気です」



「いいからじっとしてろ」



「沖田さん・・・」



すみません、そう言って無理やり沖田さんの腕から逃れようとした。

でも、逆にもっと力をいれて抱きしめられた。




「お前は、俺が何が何でも、絶対に無事に連れて帰る・・・!!」