「にしても、こりゃあキリがないな」
原田さんが敵と対峙しながらそう呟いた。
この浪士たちは普通の人間じゃない。
何かしらが憑いてる。
それなのに普通の人の攻撃で倒れるなんてまずない。
だから、私が戦わなきゃ・・・
治癒の血を受け継いだ私には、母から受け継いだ剣がある。
それはアブリエルの言っていた"神具"というものなのだろう。
さっきまでは普通の日本刀で戦っていた。
それじゃあ助からないのなんて分かってる。
でも、あの場所以外で私に生きる場所なんてないから・・・
だから、脱退して鬼ごっこに追われる覚悟もしたはずなのに。
結局は、早々にこの世から消えたかったのかもしれない。
しかし今は違う。
目の前には、永倉さんと原田さんがいる。
そして、隣には沖田さん。
この人たちを死なせちゃいけない。
私は死んでも構わない。
でも、この人たちは、誰かに必要とされる人たちだ。
どんな手を使っても、無事に返さなければ。
・・・たとえ、私が目の前の浪士全員をたたっ斬って生き残ることになっても。


