浪士の一撃が迫り来るなか、離桜は静かに目を閉じた。



でも、襲ってくるであろう痛みはなかなか来なかった。


そのかわり、だれかに腕を掴まれて、ぐいっと引っ張られた。


「加賀美!!」


「お、沖田さん?」


神に願いが伝わったのだろうか。
私は、沖田さんの腕のなかにいた。


いや、もしかしたらこれは幻想で、死んでさまよっている私の魂が見せたものなのかも。


「・・・なに考えてるんだ、お前は。言っとくがこれは幻想ではないからな?」


「・・・え?」



もしかして、心の声が駄々漏れだったのだろうか。


沖田さんに聞かれていたとなると恥ずかしい。



「無事か!!離桜ちゃん!!」


「!永倉さん!!」


「おっと、俺もいるのを忘れちゃいけねぇぜ?」


「原田さん?!」



目の前にはこちらに背を向けたままの永倉と原田がいた。



「どうして、ここに?」

「お前が心配で来たんだ。」

「え?なんでこのことを・・・」


「山崎くんが教えてくれた。」


「山崎さんが・・・」



ありがたいと思うのと申し訳ないなと思うのと、半分半分だった。