誠の道ーキミと共にー

私がコクりと頷けば、
「そうか」と、ほっと安堵する沖田さんの顔が見えた。







その表情に、悔しさ意外に、胸にこみ上げてくるものがあった。







私は、沖田さんから離れると最後に、彼の着物を掴んでいた両手を離した。




沖田さんは、不思議そうに私を見つめるだけで
背中に回った手を退（ど）けようとはしない。





顔をあげて、しっかりと沖田さんの目を見た。




初めて会った時よりも、幾ばくか穏やかになった瞳。



それが、彼の私に対する信頼の証拠だと思うのはただの私の自惚れだろうか。



いや･･･
穏やかになったのは、彼の成長の証か。





すっと息を吸い、口を開いた。