誠の道ーキミと共にー

璃桜side




私は、沖田さんに支えられながら自分の体が尋常じゃないほど震えているのに気づいた。





沖田さんが、来てくれなかったら・・・・・・




そう思うだけで、体の震えが増すばかり。






殺されると分かっていても、
あの手に縋(すが)りたくなった。



それほどまでに、アブリエルの言葉は的確で、
私の心の奥まで侵入してきた。




自分の精神の未熟さに悔しさがこみ上げてきて、
ぎゅっと沖田さんの着物を掴んでいる拳を握り締めた。





「加賀美?」




頭上から、沖田さんの声が聞こえた。



顔を上げると、
月夜に照らされ、心配そうな瞳の沖田さんと目があった。





「・・・」




「大丈夫か?

 怪我はないか?」