誠の道ーキミと共にー

「加賀美!」




加賀美と男の間に割り込む。


男めがけて斬りつけた刀の手応えはなく、
代わりに塀から声が落ちてきた。





やっと、男の気配がなくなり振り返ると
いきなり抱きつかれた。





いや、抱きつかれたというか
体当りされたというべきだろうか。



身体に強い衝撃が走り、斜めに傾いだ。





なんとか体を立て直し、
加賀美の背中に腕を回す。





そして、その感触を確かめるように腕に
少し力を込めた。





「加賀美」




名前を呼ぶと
ピクリと体が動いた。



その反応に自然と笑みが溢れる。







----無事でよかった。







心の底からそう思った。