誠の道ーキミと共にー

「寄るな、たしたことではないっ!」




そう言われ、新見さんはぐっと詰まった。


さっきまでの雰囲気は一変、部屋には緊張感が漂っている。




芹沢さんは荒い呼吸を繰り返している。



「誰か、籠を呼んでこい!」




芹沢さんの荒い呼吸だけが聞こえる静かな部屋で
土方さんの鋭い声はやけにはっきりと響いた。



それがきっかけだったかのように
部屋が慌ただしく動き始めた。





「大丈夫か、芹沢さん」



「土方・・・」





駆け寄って、芹沢さんの肩を担ごうとした土方さんの手を
芹沢さんは跳ね除けた。





「ふん、
 これしきのことでそう騒ぐな。



 大したことではないと言っただろうが」





そう言って芹沢さんは立ち上がった。





「芹沢さん。
 表に籠の用意が整いました」