誠の道ーキミと共にー

ふぅと、ため息をついて山南さんが体を起こした。



直ぐに、女の子と若い男性が戻ってきた。


「藍屋の、藍屋道成(みちなり)どす。
どないなご用件でっしゃろ。」


道成さんは笑顔で聞いてきたけど、
私達に対する警戒を解いているわけではなかった。


「こんな時間にすみません。
実は酒屋さんに酒を買い付けに行ったのですが、もう売り切れていまして。もしかしたら、藍屋さんなら譲ってくださるかもしれないと言われましたので伺った次第です。」


山南さんは、藍屋さんに負けないくらいの笑顔で言った。


そして、私が手紙を差し出した。


藍屋さんは、手紙を受けとり、読み始めると眉間に皺(しわ)を寄せ、
読み終わるとはぁ、とため息をついた。


「事情は分かりました。
ですが、条件がございます。」


藍屋さんはにこりと笑った
そして、私を見ながら言った。



「あんさん・・・
男装をしてはりますが、
おなごとお見受けいたします」


「っ」


ば、ばれた・・・?!

近藤さんたちにもばれたことたけど、そんなに男装が、下手なのだろうか?


・・・ええいっ
いまは、そんなこと言ってる場合じゃない。
私は息を呑んだ。

藍屋さんは、閉じた扇子を顎にあてたまま、その条件とやらを言った。


「今日だけで、かまいまへん。
新造としてあんさんに座敷にでてもらいたいんどす。」


「え・・・」


ええええーーーー?!







「大丈夫でしょうか、離桜さん・・・」


藍屋の外で源さんと山南さんは
無事に手に入れた酒を持って、呟いた。


「大丈夫もなにも・・・
あれは大丈夫ではありません。」