誠の道ーキミと共にー

興味のないものは、璃桜の目には白黒に見える。


たいていは、人間なのだが、その人間もひとたび興味を持てば鮮やかに、瞳に映し出す。



人間に興味はない、はっきり言えば、大っ嫌いだが、興味を持てば別。



数人の追手が浪士の周りを取り囲む。


そして、じりじりと浪士との距離を縮めようとする



それに焦った浪士が、



「ち、近づくなっ!

 こいつがどうなってもいいのか!!?」



叫んだ言葉に追手が反応し、歩が止まった。



そして、今まで呆然としていた坊やもさすがに身の危険を感じたのだろう。


目に大量の涙をためていた。



「わんっ!!」


とっさに正吉の声が聞こえた。



飼い主の身の危険を察知したのか、浪士たちの輪に正吉が飛び込み、浪士の腕に噛みついた



「っ、この、くそがぁ・・・!!」



しかし、浪士は腕を振り払い、正吉は「きゃんっ」とうめき声をあげて、地面にたたきつかれた


「正吉っ!!!」


坊やの目から大粒の涙がこぼれる。