「痛ってぇ~!何すんだよ!」



え?もしかしてあたし…殴った?



「あたし…何した?」



「自分でやっといて忘れんなよ…。殴ったんだよ!命の恩人に向かって…」



やっぱり…。って、命の恩人!?

そういえばあたし、生きてる!?



「ごめん…あたし、男嫌いだから反射的にね…。ってか、どうやって助けてくれたの…?」



「………………秘密。」



秘密かい!教えてよ。このアホ!



「…………………ケチ。」



「あ!?何か言ったか?」



「な…何でもない!…です。」



何か、めっちゃ怖いんですけど!?

とにかく!早く帰らないと。男とこれ以上いるのマジ死にそうだし!



「じゃ、あたしそろそろ…」



「あーそうだ!お前、力使えなくなってるからこれから頑張れよ?」



「はぁ!?」



「俺があの魔王って奴と交渉してやったんだよ。命を助けてくれるかわりに力を使えなくしていいって!命のが大事だろ?」