「俺にそんな事言っていいと思ってんの!?秘密バラすぞ!」
「バラしたいならバラせばいいじゃない!!樹なんか…大っ嫌い!!!」
あたしは、生徒会室の奥にある“生徒会長室”に閉じこもった。この部屋は、生徒会長であるあたししか入っちゃいけない事になっている。
っていうか、樹むかつく~!謝るまで許してあげない!まぁ、謝らないだろうけどね?自分が悪いって思ってなさそうだし…!
「結衣……ごめん。言えない事なんだろ?」
今のは…空耳…ですか!?樹が、謝った!?
「……………結衣?」
「樹……謝った!?」
「おう……。悪いと…思ったから。」
空耳なんかじゃなかったんだ。
「…あたしの、お父さんはね…お母さんとあたしを捨てて、愛人の所に行ったの。その時も逆ギレして…謝りもしなかったんだよ?……それであたしは…男嫌いなんだよ。みんなそうだと思ってたから…。でも、樹は違った。だから…仲良くしてあげても……いいよ?」
「結衣………ドア開けろ!」
「え?……うん。」
あたしがドアの鍵を開けた瞬間、ガチャっとドアが開いて入って来た樹に抱きしめられた。
「ちょっ……樹?…離れて?」
「辛いこと、思い出させるような事言ってごめんな!?」


