「愛夢はね…昔から体が弱くて…そんな体で子供を…ましてや、双子を産むなんて…最初から無理だったのよっ!…グスッ」
体が弱くて…出産が、無理?
じゃあ、もしかして…!
「愛夢は…あなたたちを産んですぐに…死んだの…!」
「…っ……」
「あの部屋には、愛夢と私と看護婦さん1人だけで…双子ってことは、私とその人しか知らないの…だから、私たちが育てたら、『誰の子?』って…なっちゃうでしょ?だから…ごめんね…!」
「…わかりました。それなら…仕方ないです。教えてくれて…ありがとうございました。…他の人には、まだ言わないでもらえますか?俺が言います。」
「分かってるわ。あと…これだけは忘れないで!愛夢は…魔王と愛し合っていたの。樹くんは…愛されて生まれてきた子よ?」
「そうですか…。じゃあ、慎は?」
「慎も愛されて生まれてきたの。私は笑だけだけど…愛夢は2人を同時に愛してしまったの。愛夢は…ずっと悩んでいたのよ…。私は…そういう愛もありだと思うのよ。」
俺と慎は2人共愛されて生まれた子…。
よかった…!
片方だけが愛された子じゃなくて…本当に…
よかった…。
【樹side終】


