「何それ?まぁ、いいけど!あたしの事は、“結衣様”って呼びなさい!」



「はぁ!?“結衣”でいいだろ!?」



「何、本気にしてんの(笑)冗談に決まってるでしょ!?でも、“如月さん”にして!あたし、男に名前で呼ばれるのマジ嫌なんだよね?特に、あんたムカつくし!」



「命の恩人様に向かってそんな事言っていいのかな?」



「あたし、助けてなんて言ってないし~!」



「お前の秘密、バラそっかな~?」



「ご…ごめん…!“結衣”でいいから!あたしも、“樹”って呼ぶから~!秘密にして?」



あの事を言われたら終わりだー!ムカつくけど、樹の言う事聞かないと…



「おう!それと、みんながいる時は“黒魔くん”って呼ぶこと忘れんなよ?」



「え?う…うん。」



こんな事を裏で話してる間に学園長の話も終わり、始業式が終わった。

今日の朝あたしが来た時は、まだクラス発表の紙が貼り出されてなかったから、今から見に行く!

樹は学園長に呼ばれたみたい……。

あたしは3-A。クラスに行って、黒板に書かれてある席に座る。

窓側の1番後ろの席。やった~!



「みんな、座って~!」



先生が来た。音楽担当の夏奈(カナ)ちゃんで3ーAの担任。

男嫌いなあたしが、あたしのクラスの担任は事前に決めている。

こういう時は、学園長があたしのおばさんにあたる人でよかったなぁって思う。